2004年5月17日(月)18:07

EU憲法で進展

ブリュッセル(AP)

5ヶ月ぶりに再会された欧州憲法交渉でEU加盟国は進展を見せた。EU議長を務めるアイルランドのブライアン・カーウェン外相は月曜日、ブリュッセルで開かれた外相会合を終え、「私は失望でなく希望を得た」と語った。ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相も不安定な国際情勢を踏まえ、欧州憲法の合意を促した。「私たちの安全、私たちの未来がかかっているのだ」とフィッシャー外相は述べた。

「世界の危険地帯に目を向ければ、私たちヨーロッパ人は本来とうの昔に宿題を片付け、自らの影響力と可能性を有効に用いて危機の解決にあたっていなければならなかったことに気づく」。その意味において憲法の合意は緊急の使命である。「私は参加者全員がこの責任を自覚しているものと考える。これから私たちを待ち受けている年月は到底容易なものにはならないだろう」、とフィッシャー外相は主張した。

現在の段階では、EU各国首脳は6月17日と18日の首脳会議で合意をはかる意向である。私は成功するものと確信しているとフィッシャー外相は述べた。確かに「二三の国の不確定要素はあるが、全参加者が合意への意思を持ち、私たちが直面する世界の様相を念頭に置くならば」、打開は可能である。

カーウェン外相によれば、将来のEU議長制度については合意間近であるという。三つの国が18ヶ月間EU議長を務めるというアイルランドの提案は大多数の国が支持している、と外相は述べた。これまでは加盟国が半年ずつ輪番制で議長を務めている。しかし小国にとってはEU議長国を務めた場合、企画準備に関わる費用の負担が過重になるという問題がある。

(明日)火曜日、各国外相はブリュッセルで協議を続ける意向である。欧州議会に関する交渉を注視している社会民主党(SPD)のクラウス・ヘンシュ欧州議員は、「交渉の最後にならなければ...6月末に...合意に至る可能性が本当にあるかどうか、...分からないであろう」と語った。焦点は相変わらず閣僚理事会の決定における二重多数決制の導入である。二重多数決制では加盟国の人口規模で比重が決まることになる。

将来の欧州委員会の規模についても決定はEU首脳会議を待たねばならないとのもっぱらの予測である。だがこの問題については各国外相が火曜日に協議を行う意向である。アイルランドの提案は、まずは「一国一委員」の原則を維持し、2014年にはじめて18名に削減するというものである。また、どの政治分野に特定多数決の決定を適用するかという問題に関しても、各国外相は火曜日に話し合う予定である。

同様に、欧州議会がEU予算の決定でどのようなウェイトを占めるのかという問題も未解決である。ヘンシュ議員は、「この問題ではまだいくつか難題を片付けねばならない」。欧州議会が著しく影響力を失う危険もある。「そうならないようにするのが今の私の役割であろう」、と語った。「私たちは妥協案を模索する必要があるが、 ...その妥協案は欧州議会のみが割りを食うものであってはならない。」

原題:Fortschritte bei EU-Verfassung




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